給湯室へようこそ、コトブキです。
【 いろんなところに行きましたシリーズ 】奇跡のテーマパーク大鹿村!
今回は2回目、大鹿村の七不思議のうち「夜泣き松」を見に行ったお話。
斜面に大きく枝を伸ばす、樹齢約700年の赤松です。高さ約15m、周囲約4.5m。
神々しささえ感じる立派な松の木です。
支えが施してあり、地元のかたに大切にされているのがわかりますね。
夜泣き松の言い伝え
駿木城(鹿塩地区にあったお城)に美祢姫という娘がおり、
村人から大変慕われていました。
宗良親王につかえていた姫はやがて女の子を授かります。
しかし女の子の夜泣きがひどくて、美祢姫は日に日に弱っていきます。
美祢姫を慕っていた村人たちは、観音堂で祈りました。
すると観世音菩薩が夢枕に立ち、
「堂前の松の小枝をもちて枕辺に供せ、すなわち霊夢に従うやたちまち夜泣きが止む」
(夢のとおりに、観音堂の前の松の小枝を枕元に置きなさい。すぐ夜泣きはおさまるよ)
と告げたのです。
喜んだ村人は早速この松の枝を姫に届け、夢のお告げを伝えました。
それからというもの、赤ちゃんの夜泣きはピタリとやみ、
姫が夜泣きに悩まされることはなくなりました。
…ということです。いや~夜泣きはつらいですよ。おさまってよかったね!
さていろいろと調べてみると、「夜泣き松」の伝承が残る松の木は
新潟県や岐阜県にもあるようで、枝(樹皮)や葉の使い方が
この大鹿村と新潟県の話では「枕の下に敷く(枕元に置く)」
岐阜県の話では「仏壇でお燈明のかわりに燃やす」 とあります。
松+夜泣き の話が別地域にもあるというのが、おもしろいですよね!
スピリチュアル好きと同時に、化学的考察好きの人間・コトブキA。
ここでまず「ほぇー観音様のおっしゃる通りじゃ!」と思う一方、
・松の樹皮や葉の香り成分 α-ピネンの効果ではなかろうか。
いわゆる森林浴効果でリラックス→夜泣き止む、の可能性はじゅうぶんあるのでは。
・オウシュウアカマツから作るアロマオイルの香りは呼吸器系に作用すると聞いた事ある
→鼻のつまりやすい赤ちゃんには効果があったのかも?
生の枝葉ではアロマオイルほど成分は濃くないだろうけど、
逆に赤ちゃんには生の香りくらいがいいのかもね(まぁ当時アロマオイル無いし)
などと、ド素人的科学的考察に思いを巡らせてみたり。
あと、登場人物が実在の人物であることはポイントなのではないかと思います。
宗良親王というお方が鎌倉時代後期~南北朝時代にかけて、つまり
650年ほど前の人物で、夜泣き松の樹齢との違和感は無いことから、
後世に作られた話でなく、本当にそこに語り継がれてきた話なのだな、
とリアルに感じることができるのです。
でもこの伝説のキモはやっぱり、観音様の夢のお告げ のスピ部分。
伝承あるある ではありますが、生活のほとんどが「お天道様次第」だったであろう
昔の人々にとっては、ゆるぎなく頼りにできるのは信仰のみだったのでしょう。
困ったら観音様がなんとかしてくれる、何か教えてくれる、導いてくれる。
姫様がお困りになっていると心をいためた、優しい村人たちのために、
観音様が「松のアロマいいよ!」と知恵を授けてくれたのかもしれませんね!
奇跡のテーマパーク、大鹿村
次回は…(3)弘法大師のイリュージョン、逆さ銀杏 のお話。お楽しみに♪
★コトブキ★