給湯室へようこそ、コトブキです。
「いろんなところに行きましたシリーズ」天草編~青も夕陽も~
(第一話「熊本へ」)
(第二話「崎津教会」)
(第三話「 夕陽のマリア像を撮る」)
(第四話「祗園橋」)
今回は、熊本での目的の一つでもあった、御輿来海岸のお話。
「おこしき かいがん」と読みます。
その昔のまた昔、景行天皇=大足彦尊(おおたらしひこのみこと)=日本武尊のお父様が
ここを訪れたとき、その景色に大変感動し思わず輿を停めて見入ったのが名前の由来とか。
広い広い干潟なので、干潮時にはゆるやかな波に撫でられたような砂の模様が現れます。
その地形自体は干潮時であればいつでも見られ、青空を映したそれももちろん美しいのですが、
なんといってもここが美しいのは、夕焼けをまとったとき。
インターネットで画像検索すればその絶景がたくさん見られます。どれも素晴らしい~!
でも、その絶景をできれば自分でカメラに収めたい…!
その公式は?
干潮時刻 + 日の入り時刻 + お天気(夕焼け)- 雲
そう、干潮の時間と日没の時間が同じ(近く)になる日というのが必須条件なのですが
そのタイミングは年に十日ほどしかありません。
まぁありがたいことに、これは前もってわかるデータなので良しですが、
晴れており夕焼けになるかどうかまでは予測できません。
いつも撮影に出向くときは、目的地の情報は当然いろいろ調査して乗り込むのですが
このとき、なんと先生は「場所だけしか調べてない」と…!!
もちろん、上記の「公式」は踏まえているものの、
この当日が公式に当てはまるかどうかを、調べずに来た…。
熊本駅周辺のホテルまで天草から戻る道中であるこの海岸に
夕刻に居られるのかは確かに不明ではあったし(渋滞も避けたいし、先が長いので;)
夕焼けになるかはもっと不明なので、
撮影はしたいけど、難しいかな~というところだったのです。
で、とりあえず夕刻前に、立ち寄ることはでき、我々は海岸の真ん前へ。
平日ということもあり、見に来ている人は10人もいないくらいでした。
ドローンを飛ばして空撮している方も!う、うらやましぃ…。
そこで、毎日のように散歩に来るという現地のかたが、教えてくれたのです。
「あー、今日、あれでしょ、撮るのにいい日だからね」
え?撮るのにいい日?
「そっ、干潮と日の入りが同じのさ」
そーなんですか?!今日、そーなんですか?!
なんと、ノーリサーチで来たにも関わらず、ドンピシャの日だったんです!!
先生の引きの強さのおかげでしょうか。
そしてこのとき生まれたのが、奇跡の写真「時を越えて」です。
詳細は上記タイトルからご覧になれますが、
中央あたりに何やら不思議な光…。サブタイトル(あまびえの出現)としています。
ゆるやかな砂のドレーブを夕陽が照らして、影が浮かび上がります。
神様が作った影絵の中に入り込んだような不思議な気持ちで、コトブキもヘタなりに夢中でシャッターを切りました。
夕焼けもほんのわずかの出来事。
引いていた潮と共に、夜の闇がもうすぐ押し寄せるでしょう。
一瞬の、モノトーンの世界もまた一興。