ようこそ給湯室へ。コトブキです。
真夏も秒読みということで、去年の夏はこの給湯室で何を書いたかな?と
見返してみたら、こんなん書いてました → 納涼話をひとつ
この夏も納涼話…と言いたいところですが他に無く…
その代わり、系統が違うんですが、「不思議な体験」を今回は綴っていこうと思います。
コトブキは子供のころ、わりとすぐ風邪をひき、熱を出しがちだったのですが
そんなときにほぼ毎回、体験していた出来事です。
具合が悪いときは、親の目が届くという事で、居間に続くもう一つの和室で、
布団を敷いて休んでいました。
家族は夕食のため食卓を囲み、
コトブキはまだ熱があり横になっている。というシチュエーションです。
居間とこちらの部屋の間にあるふすまを20センチほど開けていたんですが
そんなとき決まって、
その間から見える父や母や姉や居間全体が、
遠~く見える というか、小さく見える?というか…
とにかく、距離感・サイズ感が違って見えるんです。
頭では六畳だとわかっているのに、
目ではその3倍ほどの奥行に見えている。
家族も、すぐそこに正座で食事しているのがわかっているのに、
小さく見える。(正確には、遠いから小さく見えるのか、大きさそのものが
小さくなっているのかはよくわからない感覚)
あれ、遠いな~?小さいな?おかしいな?と意識すると、
今度は逆に、自分の視界いっぱいに迫って見えたり。
「お熱が出て、家族と一緒にごはんが食べられないから、
さみしくてそういうふうに見えてるんかな~?」
と、子供心に考えていました。
横だけではありません。
天井を見ていると、これまた同じように、高~く遠~くなっていったり
かと思えば目の前に木目や竿縁(さおぶち)が迫ってきたり。
天井が迫っている、というよりは、
自分のほうが天井に届いてしまっている?
あるいは、天井に届くほど膨れてしまっているような感覚すらある。
えーと、…わかっていただけてますかね…?
今思うと、物心ついたころから小学5年生くらいまでは
熱を出したときはほぼ毎回ありました。
中学生になったらあまり熱を出さなくなったんですが、
それでも三年間に一回くらいはあったような気がします。
で、熱がでたら誰もがそうなんだ。と思ってました。
このことを高校生くらいのときに母に話したらびっくりされました(笑)
少なくとも母は熱を出してもそんな風に見えたことはない、と。
その後はそのことも忘れかけていたんですが…
数年前、それってまさしくあの体験なのでは…?!という、
「ある病名」を知ったのです。
みなさんご存じでしょうか…「不思議の国のアリス症候群」(アリス症候群)。
検索するときちんとしたお医者様による解説も出てくるので
詳しくはそちらをご参照いただきたいですが、
要するに「自分の知っている様々な物のサイズ感などが、
実際のそれとは違って感じられる症状がある」的なことだそうで…
それってまさにあれだ!私のあれだ~!!!
不思議の国のアリスのお話の中で、アリスはある薬を飲んだがために
大きくなって部屋いっぱいになってしまったり、逆に小人になってしまったり
というシーンがあって、そこからこの病名が付けられたようです。
作者のルイス・キャロルも同じ体験をしていたという説もあるとか。
海外でも症例があることや、サイズ感だけでなく色の認識に異常が出るなど
他にもパターンがあること等、検索して理解が深まりました。
しかしそれより何より、あれに病名があることが驚きです。しかもアリスだなんて。
そしてあれから〇十年!
熱を出さないままずいぶん大人になったコトブキでしたが
コロナワクチン接種後、副反応で見事に高熱が出たんです。
…来たんです。あの感覚が!!
天井の木目が大きく近く見えたんです!!
39度越えの熱で朦朧としつつも、来たよこれこれ!アリスのやつっちゃうの~?!
…と考えてしまったんです。そしたら、3秒くらいで終わってしまいました…。
意識すると、見えなくなる(コントロールできる)ものなのか?
それはコトブキがあまりにも大人になってしまったからなのか?
謎が残ってしまいました。
次に高熱が出てアリスがやってきたら
あえて「見る」そして「戻す」コントロールが可能かどうかを試してみたい気も…
…いや、高熱は出したくないな💧
子どものころの、あの気持ちに戻ってみたい というのが、
コトブキの深層心理なのかもしれません。
今回はコトブキの不思議な体験のお話でした。
ありがとうございました😊
※「不思議の国のアリス症候群」は自然に治る症状とされ、
コトブキは発熱時にそう見える(感じる)のみで終わってますが、
もしかしたら、そんな軽々しい症状じゃないんだ、日常生活に支障をきたしてるんだ
という方がいらっしゃるかもしれません。なので、コトブキの話はあくまでも
「一例である」というご認識でお読みいただけると幸いです。