天草~青も夕陽も~ 7: 熊本よいとこ

 給湯室へようこそ、コトブキです。


「いろんなところに行きましたシリーズ」天草編~青も夕陽も~

(第一話「熊本へ」
(第二話「崎津教会」)
(第三話「 夕陽のマリア像を撮る」)
(第四話「祗園橋」
(第五話「まさかの夕焼け、御輿来海岸」
(第六話「長部田海床路」)


最終回は、二度の熊本行脚で訪れた「他の場所」のことをお話して締めたいと思います。↓地図中に、前回までのお話に出てきていないところがいくつかありまして…


●油すましどん
「熊本といえば油すましどんだよね!」と言える人はおそらく妖怪マニアのかたでしょう。
あの有名な妖怪アニメの中ではおじいちゃんの姿で皆の司令塔みたいなキレ者ですが…
実は天草市栖本町に、油すましどんのお墓があるのです。

これだけ見ると、うどん屋さんか何かかな?と思ってしまいますが。

このあたりは昔から椿や山茶花の種を絞って油を採っていたそうで、
油すましというのは、「油搾り」の方言だそうです。
「おばあさんが、昔このあたりに油すましどんっていう妖怪が出てなぁ、と
孫に聞かせていたら、今でもでるよ~!と出てきた」という文献があるとか。
案内板を読んでも出現情報にとどまっていて、何をする妖怪かは明記されていません。
調べたところ、一説として、油を搾る名人が山で行方不明になり、どうやら命を落としたのだとお墓を作ったというのがあります。その名人が妖怪になったのか、それとも他に妖怪として存在していたのか。でも、今でも出るよ~と、言ってみただけ…。アニメの中のキレ者キャラとは違い、本当は控えめでお茶目なさみしがり屋なのかも。画像は無いですが、道を歩いて行った先に、ひっそりとお墓はありました。花や油の瓶が供えられ、さみしくはなさそうで良かったです。



●えびす像
台座を含めると高さ10mという、日本一大きなえびす様。総大理石で輝かしい!
鯛釣りで有名な倉岳町の宮田漁港にある公園で、八代湾を眺めて笑っていらっしゃいます。


すぐそばの「えびす茶屋」にてお昼のおうどんをいただきました。
シモン芋という芋の葉っぱの粉?をブレンドした、薄い緑色の麺です。
珍しい材料ですがとくにクセは無く大変おいしゅうございました!
特産品売り場もあり、シモン茶をお土産に購入しました。これまたほんのり香ばしくて毎日飲めるおいしいお茶。シモン芋はミネラルやビタミンA・K・Eが豊富だそうです。シモン芋のことを知れたのも、コトブキにとってはえびす様のおかげです。ありがとうえびす様!



●アコウの木

上天草市の永目十五社宮の境内いっぱいに根を張り、まさに鎮座していらっしゃるご神木。
熊本県で一番の巨木で、幹回りは11m!雌雄異株で、こちらは雌樹ということでした。
自らに絡みつく気根の成す樹形は圧巻です。


おとずれた時は青々と茂り、枝先に新葉が伸びていました。初々しく繊細な、羽化したての蝉を思わせます。
白く見える部分は花びらなのかな?でもつき方から考えるとちょっと違うような…と新たな疑問を持ち帰り、調べると、どうもこの白いのも新葉のよう。
実は、アコウの花は小さな実の中にあり(イチジクやガジュマルと同じですね)、アコウバチという虫だけがその中に入って受粉するんだそうです。
小さな実の中で小さな虫によって受粉し、小さな芽が出て根を張り葉っぱが入れ替わりながら300年経ってこんな巨木になろうとは。


その生命の歴史のように、何度でもアップデートしながら成長し続けたいものです。


二度の熊本・天草行脚で訪れたところを時系列は無視で書き連ねました。
他にも、大江教会や天草四郎ミュージアムなども訪ねましたが、
残念ながら画像が見つからず(><)
天草四郎ミュージアムでは切支丹信仰の歴史資料の展示や、見ごたえのあるドラマ仕立ての映像資料もあり、より身近なものとして感じることができました。




このころは熊本城の再建工事中で、石垣の上には作業の方々やシートなどが見え
お城の左右にはクレーンが立っていました。あの震災からの、復興への希望を一つ一つ積み重ねているようにも見えました。清正公も見守っています。




夕陽や景色を求めて行ったつもりが、その背景にある歴史へ惹きつけられていくという
不思議な経験ができた旅でした。
海の青、夕焼けの色、波の音、地元の人の優しい話し方。全てが温かかったです。
ありがとう熊本!!また行きたいです、熊本!!


★コトブキ★